ロボットがあなたの資産運用をサポートする時代がやってくる

みずほ銀行次世代型店舗 八重洲口支店みずほ銀行次世代型店舗 八重洲口支店

株式会社みずほ銀行が2015年7月から世界に先駆けて、ロボット(Pepper) を活用したコンシェルジュサービスを展開している。そのサービスの仕掛け人であるインキュベーションPT デジタルストラテジストの井原 理博氏に、フィンテック(金融とITを融合した新しい金融サービス)を用いたみずほ銀行の現在の取り組みについて語ってもらった。(聞き手 @japan編集長 冨山孝幸)

――――――Pepperを導入しようと思ったきっかけとは何ですか? (編集部以下略)

インキュベーションPT デジタルストラテジスト 井原 理博氏インキュベーションPT デジタルストラテジスト 井原 理博氏

 私が現在所属する組織の活動は、ちょうど2年前の2014年の4月から始まりました。新たなビジネスの創出をミッションとした部署でしたが、メンバーは二人で知見もあまりなかったことから、最初は新規事業を手掛けているあらゆる方に、業種・業界の垣根を越えてお話を伺い、勉強させていただきました。右も左もわからない中でのことでしたので、大分苦労した事を覚えています。

 色々な方のお話を参考に、今後、取り組むテーマとして10個ほど挙げたなかに、ロボットの活用がありました。そんな矢先の2014年6月に、ソフトバンクグループ様が人型ロボットPepperを発表しました。初めてPepperを見た時、今までのロボットのイメージである少し無機質な業務用ロボットとは異なり、どことなく親しみを感じさせるPepperは、コミュニケーションを第一とする銀行の接客業務との相性がいいはずだと直感しました。そこから早急に導入に向け検討を進め、2015年7月から東京中央支店をはじめとした全国10の支店にコンシェルジュとして配置をしました。※1

――――――八重洲口支店に導入されているPepperには人工知能Watsonが搭載されていて、通常Pepperを遥かに上回る言語処理能力があることに驚かされました。

インキュベーションPT デジタルストラテジストの寺西 利美氏とWatson搭載PepperインキュベーションPT デジタルストラテジストの寺西 利美氏とWatson搭載Pepper

 5月にリニューアルオープンした八重洲口支店は、オムニチャンネル時代に対応した次世代型店舗です。通常の支店とは一線を画したデザインや新技術を取り入れた実験的な取り組みとなっております。

 人工知能IBM Watsonを搭載したPepperも、その数ある施策の中の一つです。高度な自然言語解析を基に、お客さまの発話内容を理解・推測し、より適切な回答を発話するといった、高度なコミュニケーションを用いた接客にチャレンジしています。

 ただ、Watson搭載Pepperといえども、私共の業務の全てを受け答えできるわけではなく、現状は担当業務領域を宝くじ販売に限定しております。しかしながら、例えばみずほ銀行の業務内容を包括的に受け答え出来たり、多言語対応できるような高度なロボットの出現も、そう遠い未来ではないと思います。

――――――Pepperを利用したサービスは幾つかあるそうですが、他にどのようなものがありますか?

おみくじの選択画面おみくじの選択画面

 銀行の受付カードによってその日の運勢を占えるアプリ「受付カードおみくじ」や、Pepperがラジオのパーソナリティとなって落語風の金融小噺を披露する「Pepper放送局」、また、幾つかの質問にお答えいただくことで最適な保険商品をお伝えする「ピッタリ保険Q」などがございます。Pepperのユニークなキャラクターを活かしお客さま対応をしてもらうことで、お客さまからも「硬い銀行のイメージが変わった」、「支店に入りやすくなった」などといった意見も頂戴しております。

――――――Pepperを導入してちょうど1年になりますが、プロジェクトの目標(KPI)を設定されていますか?

 3つの指標を設けました。集客効果と支店内の体感待ち時間の削減効果、そして窓口へのトスアップです。効果は思った以上に出たというのが正直なところです。対面すると構えてしまう人間ではなく、また、実体がなく話しかけづらい人工知能のようなものでもなく、実体があるけれども自分のペースで話しかけられるロボットだからこそ出来るお客さま対応があるのだということが、試行を通して感じたことです。今後はそのようなロボットの強みを更に活かしたお客さまサービスを提供できるよう、検討を進めているところです。

――――――Amazon、Googleなどは音声応答のみ円筒形の簡易ロボットが市場に投入していますが、このようなトレンドは今後のインキュベーション室の方向性に影響しますか?将来的にはpepperはどのように活用していく予定ですか?

 日本には、昔からドラえもんやアトムがおり、人型のソーシャルロボットが馴染み深いと思いますが、海外に目を向けると様々な形のロボットが出てきていますよね。恐らくロボットの形はそれぞれの国の国民性や、作り手の思想・哲学などが色濃く反映されたものであり、どれもある面において魅力的なものばかりです。現時点でなんでも出来るロボットなどなく、それぞれの得意分野があるからこそ面白いと感じていますし、そういった意味ではヒト型・非ヒト型関係なく、ロボット毎の特性を見極めながら、お客さま対応に活用していきたいと考えています。その中でも今は、Pepperがお客さま対応において魅力的に感じているということになります。

 今後Pepperは、コンサルティングにおける行員のサポート役として、更なる活躍を見せてくれると考えています。人工知能の進化に応じて、活躍できるフィールドは多岐に亘ると考えますし、今後の大きな可能性に期待しています。

※1 みずほ銀行のpepperの配置状況

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